不用品回収の許可は、品物を買い取って売るための古物商許可と、家庭の不用品を料金をもらって集めて運ぶための市町村長の一般廃棄物収集運搬の許可の、2つに分かれます。
この2つは別の許可で、古物商許可だけでは、家庭の不用品の回収はできません。
この記事は、不用品回収を始める人、すでにやっている会社に向けて、許可の違い、「違法」と言われる回収の線引き、買い取れる物とそうでない物の分け方を、条文と自治体の公開資料でまとめました。
買取に慣れていない会社が、品物の真贋を断定する必要はありません。
この記事でも、本物か偽物かではなく、「当社の査定基準で基準内か基準外か」と書きます。
1古物商と一般廃棄物の許可の違い
名前が似ていても、許可が見ているものが違います。
古物商は「中古品の売り買い」を、一般廃棄物の収集運搬は「ごみを集めて運ぶこと」を見ています。
| 比較の | 古物商許可 | 一般廃棄物収集運搬業の許可 |
|---|---|---|
| 何の | 中古品を買い取って売る営業 | 家庭から出る不用品などの一般廃棄物を、業として集めて運ぶこと |
| 出す | 都道府県の公安委員会(窓口は営業所を管轄する警察署) | その区域を管轄する市町村長 |
| 根拠の | 古物営業法 第3条 | 廃棄物処理法 第7条第1項 |
| 無許可の | 3年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金(第31条) | 5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方(第25条第1項第1号) |
| これだけでは | 家庭の不用品を、料金をもらって集めて運ぶこと | お客様から品物を買い取って、売ること |
出典:古物営業法 第3条・第31条、廃棄物処理法 第7条・第25条(e-Gov法令検索・2026年11月4日に確認)。
産業廃棄物の収集運搬の許可は、工場や企業から出る廃棄物のための許可です。
家庭から出る家電や家具などの不用品は、一般廃棄物で、産業廃棄物の許可では回収できません。
出典:東京都環境局のリーフレット「不用品回収をしないで!」(令和6年10月発行・2026年11月4日に確認)、柏市「『無許可』の違法な不用品回収業者に依頼をしないで!」(令和7年2月21日更新・2026年11月4日に確認)、船橋市の案内(2026年11月4日に確認)。
2「不用品回収は違法」と言われる理由
不用品回収が違法になるのは、回収そのものではなく、許可のない人が、家庭の不用品を料金をもらって引き取る時です。
東京都のリーフレットには、区市町村から許可を受けずに、家庭から料金を受け取って家電などの不用品を引き取る行為は、廃棄物処理法に違反する、と書かれています。
古物商許可は中古品の売買・交換・委託売買の許可で、料金をもらって家庭の不用品を引き取る許可ではありません。(東京都は「古物商の許可は買取りか交換が原則」と案内しています)
| 場面 | 自治体の説明 |
|---|---|
| 回収のやり方の例 | 軽トラックで街を回って呼びかける、「無料・格安で回収します」のチラシを配る、ネットに広告を出す、空き地にのぼりを立てる(柏市の例) |
| 許可の表示 | 産業廃棄物や古物商の許可を書いたチラシがあるが、これらは一般廃棄物の収集運搬の許可とは別(船橋市) |
| 起きている | 無料をうたう業者に頼み、トラックに積んだあとで高額の料金を請求された例。不法投棄された例(柏市) |
| 家電の | 環境対策のない場所で廃家電を処理すると、フロンガスや鉛などの有害物質が環境に出る。野積みのまま放置すると、火災のおそれもある(柏市) |
出典:柏市、船橋市、東京都の公開ページ(いずれも2026年11月4日に確認)。自治体の資料は、地域のルールの説明です。事業を決める前に、その市町村に確かめてください。
古物商許可の看板だけで家庭の不用品を回収すると、自社が「違法」と見られる側になります。
買取を足したい会社ほど、2つの許可を分けて考える必要があります。
3買い取れる物の線引き
買い取れる物は、お客様から対価を払って受け取り、売れる値段がつく物です。
値段がつかず、料金をもらって引き取る物は、廃棄物の扱いになる可能性が高くなります(船橋市は、その可能性が高いと案内しています)。
| 品物の | 扱い | 要る |
|---|---|---|
| 値段がつく(貴金属・ブランド品・カメラ・楽器など) | 買い取って売る | 古物商許可 |
| 値段がつかず、お客様が料金を払って引き取りを頼む | 廃棄物として集めて運ぶ | 市町村長の一般廃棄物の許可。持っていなければ、許可を持つ会社に渡す |
| エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機 | 家電リサイクル法の決まりに沿って処理する | 家電リサイクル法による認定や、廃棄物処理法による許可・認定を受けた者でないと、処分できない |
| 廃家電を買い取って、つぶして銅などを回収する | 有害物質やフロンガスが出る | 有害物質やフロンガスを出す行為は、東京都が違法としている。買い取った物でも同じ |
出典:東京都環境局のリーフレット「不用品回収をしないで!」(2026年11月4日に確認)。無料や0円での引き取りが、どの許可にあたるかは、自治体で見方が分かれることがあります。その市町村の廃棄物の窓口に確かめてください。
家具や家電は、ほとんど処分費がかかると思ってもらったほうが、お客様に伝わります。
家電は、基本的に値段がつかないと考えます。つくのは、5年以内の新しいものが中心です。
家具も、有名なブランドでないと、値段はつきません。
お客様は、どれが売れて、どれが処分になるか、分かりません。
買い取れる物だけを先に抜き出し、残りは処分する、という順番にすると、処分する量が減り、回収にかかる費用も下がります。
値段がつきやすいのは、貴金属とブランド品、デジタルカメラなどです。
毛皮は、昔は高くても、今は買った時の10分の1、20分の1もつかないと思ってもらいます。
人形は買取できず、処分や供養の相談になります。
4不用品回収を始める順番
| 順番 | やること | 先に |
|---|---|---|
| 1 | どこまでをやるか決める。買取だけか、作業もやるか、ごみも運ぶか | ごみを運ぶなら、市町村の許可が要る |
| 2 | 古物商許可を申請する | 手数料19,000円、審査40日の目安 |
| 3 | 家庭の不用品を運ぶ部分は、許可を持つ会社と提携する | その市町村の許可の状況を窓口に確認する |
| 4 | 売り先を決める | 自分で売る、1社に売る、何社かに写真で値をつけてもらう、から選ぶ |
| 5 | 見積書を作る | 作業代と買取額を別の行にする |
出典:佐野真の整理。手数料と日数は、古物商許可の取り方の記事(滋賀県・京都府の審査基準)を参照。
見積書は、作業代と買取額を分けて見せます。
お客様のお支払いは、作業代から買取額を引いた金額です。
差し引きだけを書くと、何が売れたのか分からず、「もっと高く売れたのでは」と疑われます。
船橋市は、無許可の業者が作業料と称したり、ほかの有価物と相殺したりして、回収料を取られていると分かりにくくなる例に注意を呼びかけています(令和4年2月28日更新・2026年11月4日に確認)。見積書で作業代と買取額を分けるのは、買取額を正しく示すためです。家庭の不用品の運搬や処分を作業代に入れるときは、一般廃棄物の許可を持つ会社が行う分に限ります。
見積もりがとても安い会社は、あとで追加の費用を求めることがあります。
お客様は相場が分からないので、何社かの見積もりを取ることもあります。
安いからという理由だけで決めると、あとで困ることがあります。
安さで競うより、買取の根拠を丁寧に説明できる会社のほうが、お客様に選ばれやすいと私は考えています。
5不用品回収は儲かるか:買取を足す意味
私の印象では、不用品回収だけだと、料金の安さを競う場になりやすい仕事です。
家具や家電は、ほとんど値段がつかないので、買取が入る場面は限られます。
だからこそ、買い取れる物を見落とさないことに意味があります。
貴金属、ブランド品、カメラ、骨董など、値段がつく物が混じっているのに、まとめて処分すると、お客様の損にも、自社の機会の損にもなります。
目利きが難しい品を、自社だけで抱えると、断ることになりやすくなります。
専門外の品は、昔は断ることが多くありました。
今は買取の競争が激しく、単に断るだけでは、機会の損です。
| 売り先の | 手間 | 向く品 |
|---|---|---|
| 自分で売る | 撮影・出品・発送が全部自分 | 値段が見通せる、点数の少ない品 |
| 1社に売る | 持ち込むだけ | 手間を減らしたい品。値段は1社が決める |
| 何社かに写真で値をつけてもらう | 写真を撮って送る | 目利きに自信のない品、種類がばらばらの品 |
出典:佐野真の整理。詳しい比較は、売り先の比較の記事に書きました。
不用品回収の業者は、売り先を分かっていないことが多いと、私は感じています。
近くの買取店に持ち込み、一般のお客様と同じ扱いで売っている会社が多いようです。
業者として売れる先を持てば、もう少し値段が上がるかもしれません。
お任せくんを使う場合の費用は、月額6,980円(税別・ベータ版の価格・先着30店で2027年6月30日までの申込)です。
×12か月で83,760円、約8.4万円です。依頼者には成約の手数料がかからず、代金の振込は1回380円(税別)です。
ずっとこの価格とは限らず、見直す時は30日前に知らせがあります(2026年11月4日に確認した公開ページによる)。
許可がない会社は、先に古物商許可を取り、取れたらお任せくんに登録します。登録には、許可番号と営業所の住所が要ります。
売り先の比較買取店の6よくある質問
不用品回収に古物商許可は要りますか?
お客様から品物を買い取って売るなら、要ります。
ただ、古物商許可は中古品の売買・交換・委託売買の許可で、料金をもらって家庭の不用品を引き取る許可ではありません(東京都は「買取りか交換が原則」と案内)。
引き取りのほうは、市町村長の一般廃棄物の許可が要ります。
古物商許可だけで不用品回収を始められますか?
買取だけなら始められます。
家庭の不用品を、料金をもらって集めて運ぶなら、古物商許可だけではできません。
許可を持つ会社と提携する方法があります。
無許可で不用品を回収すると、どうなりますか?
5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方です(廃棄物処理法 第25条第1項第1号)。
古物商の許可や産業廃棄物の許可を持っていても、家庭の不用品の回収の許可にはなりません。
不用品回収は儲かりますか?
一律には言えません。
家具や家電はほとんど値段がつかないので、貴金属やブランド品など、値段がつく物を見落とさないことが、収入の差になります。
安さだけで競うと、続けにくくなります。
エアコンやテレビは買い取ってよいですか?
エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は、家電リサイクル法の決まりがあります。
廃棄物になった家電は、認定や許可を受けた者でないと、処分できません。
買い取った廃家電をつぶして銅などを回収し、有害物質やフロンガスを出す行為は、東京都が違法としています。
中古品として売れる状態かどうかの線引きは、市町村や警察署に確かめてください。







