シャネルは、バッグも財布も単価が高く、見落とした時の痛手が大きい品です。
しかも、持ち込まれる品は、古い物から新しい物まで幅が広く、迷う場面が多くなります。
この記事は、買取店でシャネルを受ける人に向けて、店頭の判断の順番と、基準外を伝える言い方を書きます。
番号やカード、金属プレートの見方といった、持ち主向けの見分けは、書き直しません。
ここでは、真贋の話を、その店の査定基準で基準内か基準外かという言い方で進めます。
本物か偽物かを断定することは、ブランドではない買取店にはできないためです。
1店頭で判断する順番を決める
迷う原因の多くは、見る順番が決まっていないことです。
その場の気分で見ると、見落としも、見すぎも起きます。
店として、順番を先に決めます。
| 順番 | やる | ここで |
|---|---|---|
| 1 受ける | 品を預かる前に、本人確認の対象かどうかと、持ち込みの状況を確かめる | 受けるか、受けないか |
| 2 見る | ロゴ、刻印、縫製、素材、匂い、金具を、まとめて見る。番号やカードは、その中の1つとして見る | 基準内、基準外、迷う |
| 3 迷ったら | その場で値段を言わず、預かり書で預かる | 判断を後ろにずらす |
| 4 2人目の | 店の別の人、または店の外の専門業者に、見てもらう | 基準内、基準外 |
| 5 伝える | 値段を出すか、基準外と伝える | お客様への返事 |
出どころ:目利き一郎の整理。店の人数や品ぞろえで、順番の細かい所は変わります。
この表で大事なのは、3と4の間です。
迷う品を、その場で決めない道を、店に作っておきます。
2見る所は、全部を合わせて見る
シャネルは、古い品と新しい品で、見え方が違います。
古い品は、見れば分かる場合が多いです。
新しい品は、精度が上がっていて、迷う品が増えています。
昔は、相場が今ほど高くなかったので、偽物も、そこまで費用をかけて作られていませんでした。
今は相場が上がり、偽物を作る費用も上がっています。
その分、新しい偽物は、作りが良くなっています。
だから、1つの特徴で決めません。
ロゴ、刻印、縫製、素材、匂いを、包括的に見て判断します。
そして、金具だけは扱いが違います。
金具に怪しい所があれば、ほかが良く見えても、そこで基準外にします。
それ以外の所は、全体を合わせて見ます。
金具の細かい見方は、悪用を避けるため、ここには書きません。
どのブランドが難しいかは、人によって違います。
エルメスが難しいと言う人もいれば、ヴィトンが難しいと言う人もいます。
逆に、エルメスは簡単という人も、ヴィトンは簡単という人もいます。
自分のスタッフが、どれを苦手にしているかを、店として知っておくと、2人目の目を誰にするかが決まります。
名前を覚えるより、本物を触る
昔は、バッグのシリーズ名やモデルの名前を、まず覚えるところから始めました。
今は、スマホで撮れば、画像から品名が調べられます。
名前を覚える手間は、減りました。
代わりに、本物をたくさん触ります。
私は、そう教わりました。
本物を触っておくと、基準外の品が来た時に、手に取った瞬間に、なんとなく違うと感じます。
これは才能ではなく、比べた回数の差です。
出どころ:目利き一郎の経験。番号・カード・金属プレートの事実は、上の「見分けの基礎」の記事に任せます。
3迷った時は、預かって2人目に聞く
基礎を身につけたうえで、少しでも違和感があれば、その感覚を大事にします。
違和感があるのに、その場で値段を出すと、後で痛い目を見ます。
私たちの店では、迷った品は、預かり書を書いてもらって預かっていました。
預かる時に、連絡の方法と、何日以内に連絡するかを、その場でお話しします。
| 2人目の目 | 向く | 残る |
|---|---|---|
| 店の | 人数がいる店。その場で聞ける | その人の経験に左右される |
| 預かって | 1人の店。落ち着いて見直したい時 | お客様の待ち時間と、預かりの管理 |
| 専門業者に | 店の経験の外にある品、高額品 | 写真を撮る手間、返事を待つ時間 |
出どころ:目利き一郎の整理。専門業者に写真で聞く形の流れは、別の記事で比べています。
2人目の目の作り方買取店の真贋判定|基準外の品をつかまない二重チェックの仕組み時間をかけすぎると、お客様が離れます。
確かめる手間と、待たせる時間のつり合いは、店ごとに先に決めておきます。
4基準外の伝え方
私は、長く買取店を運営してきて、基準外ですと伝えて、揉めたことは一度もありません。
偽物かどうかを決めるのは、買取店やリユースの店にはできないためです。
店が言えるのは、当社の査定基準では基準外でした、というところまでです。
| 言い方 | 起きる |
|---|---|
| これは | 断定になる。店には言えない。お客様が納得できず、揉めやすい |
| 当社の | 店の基準の話になる。お客様の品を否定していない |
理由も、分けて話すと伝わります。
真贋の基準外なのか、傷みや付属品の不足なのかで、お客様の受け取り方が変わります。
基準外の理由を聞かれても、見分けの細かい所は、話しすぎません。
出どころ:目利き一郎の経験。法的に本物かどうかを確かめられるのは、慣習として、ブランド自身か、ブランドから権限を受けた者とされています。
5よくある質問
シャネルは、買取店でも見分けが難しいですか?
難しいと感じる人もいれば、ヴィトンやエルメスのほうが難しいと言う人もいて、人によって違います。
新しい品ほど精度の高い偽物が増えているので、ロゴ・刻印・縫製・素材・匂いを合わせて見て、迷ったら預かります。
金具だけが怪しい時は、買ってもよいですか?
私が教わった見方では、金具は怪しい所があれば、そこで基準外にします。
ほかが良く見えても、金具に引っかかる所があれば見送る、という決め方です。
基準は各社それぞれなので、店ごとに決めます。
お客様に基準外と伝えて、揉めませんか?
私は長く買取店を運営してきて、基準外ですと伝えて揉めたことは一度もありません。
本物か偽物かは言わず、当社の査定基準では基準外でした、と伝えるのが理由です。
迷った品は、どう預かればよいですか?
預かり書を書いてもらい、連絡の方法と、何日以内に連絡するかを、その場で話します。
預かった間に、店の2人目の目や、専門業者の見立てを聞きます。
ギャランティカードや番号の見方は、この記事に書いてありますか?
書いていません。
番号やカード、金属プレートの見方は、一般向けの記事にまとめています。
この記事は、店頭でそれらを見たあとの判断の順番を扱います。