エルメスは、買取の現場で、見る人によって難しさの感じ方が分かれるブランドです。
見る人によって、エルメスが難しい人もいれば、ヴィトンが難しい人もいます。
この記事は、迷いやすい刻印の年と付属品を、店がどう使うかを書きます。
買取店は、本物か偽物かを断定する立場にありません。
この記事でも、自社の査定基準で「基準内」「基準外」という言い方をします。
刻印の読み方の一覧は、別の記事にあります。
1刻印と付属品は、どこまで頼れるか
刻印と付属品は、見やすく、お客様にも説明しやすい手がかりです。
だから、頼りすぎやすい所でもあります。
| 手がかり | 分かる | 頼れない |
|---|---|---|
| 刻印の | その品の作られた年の目安。形が年代に合うかを見られる | 年の表は公式でなく目安。刻印が無い品もある |
| 職人・アトリエの | 年の記号の横に入る英字と数字 | 意味が公表されておらず、記号から職人は特定できない |
| 付属品 | 品の来歴。購入の記録があれば、製造年が一番確かめやすい | 付属品だけでは真贋の証明にならない |
出どころ:当サイトの記事「エルメスの刻印と製造年一覧」。年の表は買取店や中古品店の公開表を照らし合わせた目安です(2026年10月31日に確認)。
2刻印の年は、合うかどうかを見る
エルメスの刻印は、製造年を表すアルファベットが入るとされ、年代で囲みの形が変わります。
公開されている表では、1971〜1996年は丸、1997〜2014年は四角、2015年以降は囲みなしです。
2015年以降は、文字がアルファベット順ではありません。
店での使い方は、2つに絞ります。
- 刻印の形が、その品の年代の作りと合うか囲みの形、文字、入っている場所を、品の仕様と照らします。食い違いがあれば、疑いを強めます。
- 購入の記録と、年が合うかレシートなどに日付があれば、刻印の年と照らします。製造年は、購入の記録が一番確かです。
年が合っても、基準内とは決まりません。
表は、エルメスの公式発表ではないからです。
刻印が無い品もあります。
刻印を入れるかどうかは職人の判断に任されている、とされているので、無いだけでは基準外と決められません。
年の記号の横の、アトリエや職人の記号は、意味が公表されていません。
店でも、この記号だけで判断することはありません。
出どころ:当サイトの記事「エルメスの刻印と製造年一覧」(2026年10月31日に確認)。
3付属品は、来歴の手がかり
箱、保存袋、レシートなどの付属品は、値段の話と真贋の話を分けて考えます。
| 場面 | 店の |
|---|---|
| 付属品が | 来歴の手がかりとして見る。品そのものの確認は、省かない |
| 付属品が | それだけで基準外とはしない。品を全体で見る |
| 付属品と | 疑いを強める。預かって確かめる |
出どころ:整理。基準は店ごとに違います。
付属品がそろっているほど、安心したくなります。
付属品が整っていても、品そのものの確認は省きません。
4刻印と付属品のあとは、全体を見る
ブランド品の真贋は、ロゴ、刻印、縫製、素材、匂いを、全部合わせて見て判断します。
最近の偽物は、精度がかなり上がりました。
相場が上がり、偽物を作るコストも上がっています。
本物をいっぱい触っておくと、偽物が来た時に、手が自然と弾きます。
昔のように、品名を全部覚える必要は、今はあまりありません。
Googleレンズなどで、スマートフォンから商品名が分かるからです。
単価が高いので、間違えた時の痛手は大きくなります。
怖さから値段を安くして、お客様がキャンセルする流れは、避けたい所です。
5決めきれない時の3つの動き
| 動き | 使う | 残る |
|---|---|---|
| 預かる | 刻印や付属品に引っかかる所があるが、買いたい品 | 預かり書、連絡の約束、保管 |
| 専門業者に | 店内に2人目の目がいない時 | 写真を撮る手間と、返事を待つ時間 |
| 買わない | 自店の基準で基準外と判断した、買える範囲の外 | お客様への伝え方 |
出どころ:整理。
買わない時は、「偽物です」とは言わず、「当社の査定基準で基準外でした」と伝えます。
私が長年店を運営してきて、基準外と伝えて揉めたことは一度もありません。
偽物かどうかの判断は、買取店やリユースの店にはできず、できるのは自社の基準での判断だからです。
6よくある質問
エルメスの刻印の年が合えば、基準内ですか?
そうとは限りません。
刻印の年の表は、エルメスの公式発表ではなく、買取店や中古品店が公開している目安です。
年が合うことは、手がかりの1つにすぎません。
素材、縫製、金具と合わせて判断します。
刻印が無いエルメスは、基準外ですか?
それだけでは決められません。
刻印を入れるかどうかは職人の判断に任されていて、刻印が無い品もあるとされています。
刻印以外の所を合わせて見ます。
箱や保存袋、レシートがあれば、本物と言えますか?
言えません。
付属品は、品の来歴を確かめる手がかりで、真贋の証明ではありません。
付属品は、品と合わせて見ます。
付属品だけで、買うかどうかは決めません。
エルメスの真贋で迷った時、店はどう動きますか?
その場で値段を言わず、預かり書で預かる、専門業者に写真で見立てを聞く、買わない、のどれかにします。
買わない時は、偽物とは言わず、当社の査定基準で基準外でした、と伝えます。