「真贋鑑定」で調べると、意味の説明と、業者向けのサービスの案内が混ざって出てきます。
この記事は、買取店を運営している人に向けて、真贋鑑定の意味と、店が使える確認の方法を比較して書きました。
料金と速さは、2026年11月2日に各サービスの公式のページを開いて確かめたものだけを書いています。
他社のサービスは、名前ではなく方法の違いで並べました。
順位はつけていません。
私は2008年から買取の現場にいて、店頭で迷った品を、店の中と外の両方に聞いてきました。
その目線で、どこで迷い、何を外に頼むかを書きます。
シャネル
マトラッセ
ルイ・ヴィトン
エピ キーポル55
ロレックス
デイトジャスト 16014
1真贋鑑定・真贋判定とは
真贋鑑定・真贋判定は、品物が、見る側の会社や団体の基準に合うかどうかを確かめることです。
2つの言葉は、ほぼ同じ意味で使われています。
どちらも、本物か偽物かを決める言葉として使われがちですが、ブランドではない会社がつけた結果は、その会社の基準での結果です。
業界団体の日本流通自主管理協会(AACD)は、ブランド品について独自の取扱い基準(協会基準)を作っています。
協会基準内の商品は、会員が扱ってよい商品。
協会基準外の商品は、会員が扱ってはならない商品。
協会は、この基準を、会員が自社の取扱商品について決めた自主基準と説明しています。
| 言葉 | 意味 | 買取店での |
|---|---|---|
| 真贋鑑定・ | 品物が、見る側の基準に合うかを確かめること | 店の中で見るか、外の会社に頼む |
| 基準内 | その会社・団体の基準に合う | 値段を出して買い取れる |
| 基準外 | その会社・団体の基準に合わない | 買い取らない。お客様には「当社の査定基準で基準外」と伝える |
| 鑑定済み | どこかの基準で見た、という印 | どこの基準か、何の約束が付くかを確かめる |
出典:日本流通自主管理協会(AACD)「協会基準とは」(aacd.gr.jp・2026年11月2日に確認)。表の買取店での使い方は佐野真の整理。
私たちは、お客様に、本物か偽物かは言いません。
ブランドではないので、言えないからです。
当社の定める基準の範囲で、基準内か基準外かを判断して、それを伝えます。
長く買取店を運営してきて、基準外ですと伝えて揉めたことは、一度もありません。
2買取店が外の確認を使う理由
外の確認が要るのは、間違えた時の損が大きい品ほど、迷う品が増えているからです。
ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)・シャネル(CHANEL)・エルメス(HERMÈS)・ロレックス(ROLEX)は単価が高く、1点の間違いの痛手が大きい品です。
しかも、相場が上がった分、偽物を作る費用もかけられるようになり、新しい品ほど作りが良くなっています。
怖さがあると、店は買取価格を下げます。
下げると、お客様はキャンセルします。
キャンセルが続くと、お客様の名簿がたまらず、次に来てもらう道がなくなります。
真贋の迷いは、値段とキャンセルにつながるので、迷った時に聞ける先を、店の外にも持っておきます。
確認するポイントも、品によって違います。
下の写真のニットには、ブランドのネームの横に、NFCと書かれた札が付いています。
こうした札や品番の札を、店の全員が見慣れているとは限りません。
プラダ
ネームとNFCの札
迷ったら、その場で値段を言わずに預かります。
私たちの店では、預かり書を書いてもらい、連絡の方法と、何日以内に連絡するかを、その場でお話ししていました。
外の確認は、この預かっている間に使います。
3買取店が使える6つの方法の比較表
方法は6つあります。
大きな違いは、結果が判定だけか、値段まで出るか、そのまま売れるか、です。
表のうち査定お任せくんは、当サイトの運営者が関わるサービスです(広告)。
| 方法 | 費用の | 速さ | 値段まで | そのまま |
|---|---|---|---|---|
| 自分で見る(研修・社内の育成) | 研修の費用と、人が育つまでの時間 | 店頭ですぐ | 自分で決める | 売り先は自分で探す |
| 業界団体の | AACDの会員は入会金200,000円・年会費480,000円か850,000円。判定士の研修は各社1名無料、2人目から33,000円(税込) | 判定士がいれば店頭で | 出ない | 売り先は自分で探す |
| AIのアプリ | — | 確かめた1社は「数分(場合によっては数秒)」 | 出ない | 売り先は自分で探す |
| 写真の | 確かめた1社は、1点1,100円(税込)から。ブランドや鑑定の種類で額が上がる(一覧に16,500円の表示もある) | 確かめた1社は、クイック鑑定なら依頼から24時間以内 | 出ない | 売り先は自分で探す |
| LINEの | 確かめた1社は、月10,000円(50点まで・1拠点)か月15,000円(無制限)。初期費用0円 | 確かめた1社は、最短3分・最大15分で返信 | 買取の保証の額が出る | 保証の期間内なら、その額でその会社に売れる |
| 判定から | 月6,980円(税別・1店舗・ベータ版の価格。先着30店・2027年6月30日までの申込)。振込1回380円 | 専門業者の営業時間内なら、受けるまで15分・値段まで15分が目安(公式の表示) | 商材ごとの専門業者の値段が届く。ベータ版は、専門業者がそろった商材から先行登録の順に案内 | 売るボタンを押した品だけ、その専門業者に卸せる |
出典:日本流通自主管理協会(AACD)「協会概要」「協会基準判定士とは」、AIの真贋判定・写真の鑑定・LINEの相談の各社の公式ページ(社名は伏せています)、査定お任せくん(satei-omakase.com)の公式ページ。どれも2026年11月2日に確認した表示です。AACDの会費とLINEの相談の月額は、公式に出ている額をそのまま書いています。料金と条件は変わるので、申し込む前に公式の最新の表示を確かめてください。
表を読む時の注意点
- 業界団体のAACDは、小売業・卸売業の企業は「会員」として入り、賛助会員にはなれないと案内しています。判定士の研修は、会員企業の社員で、その企業の推薦を受けた人だけが受けられます
- LINEの相談で確かめた1社は、対象をアパレル・毛皮・服飾小物・時計・アクセサリーとしています。月に30,000円以上をその会社に売ると、翌月の月額が無料になると書いています。前もって伝えていない傷みなどがあると、保証の額を下回る場合があるとも書いています
- AIのアプリで確かめた1社は、鑑定に誤りがあった時の金銭の補償を掲げています
- 査定お任せくんは、古物商の許可を持つ買取事業者が使うサービスです。真贋は、専門業者の査定基準で基準内か基準外かの見立てと、その根拠が届くと書かれています。検品で値段が下がる時は、理由と写真つきで連絡が来て、承諾か返送を選べます
4写真で頼む時に撮影するポイント
写真で外に聞く方法は、写真の撮り方で返事の速さが変わります。
確認するポイントが写っていないと、撮り直しの往復が増えます。
撮る順番は、全体から細部です。
- 全体を正面・背面・横から形と大きさ、型の見当をつけてもらう。
- ロゴと型押し文字の形と、型押しの深さが分かるように、斜めの光でも撮る。
- タグ・刻印・品番服は首元のネームと内側の札。小物はテンプルや金具の裏の刻印。文字が読める近さで撮る。
- 金具と縫い目金具の刻印と、縫い目の幅がそろっているかが分かるように撮る。
- 付属品箱・保存袋・カードなど、持ち込まれたものを全部並べて撮る。
- 傷みと汚れ悪いところも隠さずに撮る。
シャネル
内側のタグ
シャネル
テンプルの刻印
コーチ
Cの金具
最後の傷みは、店の側が気にして写したがらないところです。
でも、悪いところを隠して出すと、届いた後の検品で値段が下がり、お互いに時間がかかります。
専門業者に出して私が助かったのは、査定が速いことと、出た値段が守られることでした。
大きな傷みがあれば下がるので、先に全部見せておく方が、話が早く終わります。
コーチ
型押しのロゴ
ルイ・ヴィトン
サングラスと付属品
5選ぶ時に見る3つ
選ぶ時は、結果の言葉と約束の範囲、待たせる時間、判定の後に売り先まであるか、の3つを見ます。
1. 結果の言葉と、約束の範囲
結果が「基準内/基準外」なのか、点数や割合なのかを確かめます。
そのうえで、結果に約束が付くかを見ます。
買取の保証の額が付くもの、誤りにお金の補償が付くもの、判定だけのものがあります。
約束が無いものは、結果をどう使うかを、店の基準で決めておきます。
2. お客様を待たせる時間
店頭では、返事の速さが、そのまま買取の成約に響きます。
知り合いの大きなチェーンの店で、カルティエのベルトとエルメスのベルトの2点のLINE査定に、50分かかっていた場面を見ました。
お客様はずっと店内で待ち、スタッフとの会話もありませんでした。
買取が決まっても、待たせた時間が長いと、2度目の来店は見込みにくくなります。
何分なら待てるかは、お客様にしか分かりません。
だから、返事が何分で来るかと、受付の時間を、申し込む前に確かめます。
3. 判定の後に、売り先まであるか
判定だけの方法は、基準内と分かった後に、売り先を自分で探します。
値段と売り先まで付く方法は、判定と同じ流れで卸せます。
選ばれる専門業者は、査定が速く、1つの商材に特化しています。
特化すると、売る先が強くなります。
月に送る点数で費用を比較
費用のかかり方が違うので、月に送る点数で並べると比較しやすくなります。
3章の表の公式の表示だけで計算しました。
| 月に | 写真の | LINEの | 判定から |
|---|---|---|---|
| 10点 | 11,000円から | 10,000円 | 6,980円 |
| 30点 | 33,000円から | 10,000円 | 6,980円 |
| 50点 | 55,000円から | 10,000円(51点からは15,000円) | 6,980円 |
出典:3章の表と同じ公式のページ(2026年11月2日に確認)。写真の鑑定は、ブランドや鑑定の種類で1点の額が上がります。LINEの相談は、条件しだいで翌月が無料になります。判定から卸しまでの方法は、成約した時の代金の振込に1回380円がかかります。税込と税別が混ざっているので、目安として見てください。
点数が少ない店は、1点ずつ払う方法でも費用は抑えられます。
点数が増えるほど、月額の方が1点あたりは軽くなります。
ただ、費用より先に、迷った品をどこに売るかまで決まっているかを見ます。


6よくある質問
真贋鑑定と真贋判定は、何が違いますか?
どちらも、品物がその会社や団体の基準に合うかを見ることを指して使われ、ほぼ同じ意味です。
買取店は、本物か偽物かではなく、当社の査定基準で基準内か基準外か、と伝えます。
鑑定済みと書いてあれば、本物と決まりますか?
決まりません。
鑑定済みは、その会社や団体の基準で見た、という意味です。
どこの基準で、結果に何の約束(買取の保証・お金の補償)が付いているかを確かめます。
真贋鑑定の料金はいくらですか?
方法で違います。
2026年11月2日に公式で確かめた例では、写真の鑑定は1点1,100円(税込)から、LINEの相談は月10,000円から、判定から卸しまでの方法は月6,980円(税別・ベータ版)でした。
AIの真贋判定だけで、買い取ってもよいですか?
結果をどう使うかは、店の基準で決めます。
AIの結果は、その会社の基準での判定です。
迷う品は、預かって、別の目に見てもらってから値段を出します。
業界団体の判定士の研修は、誰でも受けられますか?
日本流通自主管理協会(AACD)の協会基準判定士の研修は、会員企業に勤め、その企業の推薦を受けた社員だけが受けられます。
受講料は各社1名が無料、2人目からは1名33,000円(税込)と案内されています。
次の資料を2026年11月2日に確認して書きました。
日本流通自主管理協会(AACD)「協会基準とは」「協会概要」「協会基準判定士とは」。
AIの真贋判定・写真の鑑定・LINEの相談の各社の公式ページ(社名は伏せています)。
査定お任せくんの公式ページ(satei-omakase.com)。
店頭の話は、佐野真が買取の現場で見てきたことです。







