「遺品の中に値段がつく物があるなら、その分、片づけの費用を安くしたい」
「買取と片づけを別々に頼むと、手間も増えそうで迷う」
この記事は、そう考えている方のために、費用がどう変わるのかを整理したものです。
この記事には、当サイト運営者が案内する窓口と店舗の広告(PR)が含まれます。
費用の数字は、出どころと確認した日を付けて載せています。
確かめられなかった数字は書いていません。
1一緒に頼む3つの形
「一緒に頼む」といっても、お金の流れが違う3つの形があります。
どの形かで、見積書の見方が変わります。
| 形 | お金の流れ | 向く場面 |
|---|---|---|
| 整理業者が買取もする | 業者が品物を買い取り、その額を作業費から差し引く | 窓口を1つにしたい。品物が多くない |
| 買取店と整理業者を別々に頼む | 買取代金は買取店から受け取り、作業費は整理業者に払う。お金は別々に動く | 値段がつきそうな品が多く、買取先を自分で選びたい |
| 相談窓口が両方をつなぐ | 買取代金と作業費の支払い先が別になる窓口もある。契約の相手を先に確かめる | 業者探しから任せたい |
国民生活センターは、遺品を買い取る業者には古物商の許可が必要だとして、古物商許可証や行商従業者証を確かめるよう案内しています(2025年10月30日発表)。
家庭のごみを運ぶ許可とは別の許可です。
2費用はどう変わるのか
買取を一緒に頼んだ時の費用は、次の式で考えます。
実際の負担 = 作業費の見積もり − 買取額
公開されている複数の案内でも、買取額は遺品整理の費用から差し引かれる、という説明になっています。
ただし、差し引くかどうかは業者や窓口の決め方しだいです。
買取額の分を値引きとして一括で処理され、内訳が見えないこともあるので、見積書の段階で確かめます。
変わる場合と、ほとんど変わらない場合
| 場面 | 費用への効き方 |
|---|---|
| 金・ブランド品・時計など、値段がつく品がある | その買取額の分だけ、実際の負担が下がる |
| 買取に回した分、処分する量が減る | 搬出や処分の項目が減り、作業費の見積もり自体が下がる場合がある |
| 値段がつく品がほとんどない | 費用はほぼ変わらない。無理に探さず、処分に回す |
| 買取額より、搬出の条件で費用が決まる家 | 階段の上げ下ろしや量の多さが費用の中心。買取額の効きは小さい |
公開されている費用の目安(2026年10月27日に確認)
国の機関が示した遺品整理の費用の相場は、確かめた範囲では見つかりませんでした。
次の2つは、民間が公開している目安です。
数字の意味が違うので、並べて比べるときは注意してください。
| 間取り | 日本郵便の相続案内コラムの「費用相場」 | 遺品整理相談センターが公開する「下限の目安」 |
|---|---|---|
| 1R・1K | 10万〜15万円程度 | 3万円〜 |
| 1DK・1LDK/2K | 15万〜30万円程度(1DK・2K) | 6万円〜(1DK・1LDK) |
| 2DK・2LDK/3K | 30万〜50万円程度(1LDK・2DK・3K) | 9万円〜(2DK・2LDK) |
| 3DK・3LDK | 50万〜100万円以上(2LDK・3DK・3LDK以上) | 15万円〜 |
| 4LDK・一軒家 | 50万〜100万円以上(一軒家は3LDK以上) | 22万円〜 |
- 日本郵便のコラムは、間取りの区分が上の表と少しずれています。掲載日の記載は見つかりませんでした。家電リサイクル料金を含む前提の行があります
- 遺品整理相談センターの数字は、同センターのページに「荷物が少なく運び出しやすい場合の下限」とあり、「実際の額はこの1.2〜1.7倍が中心」と書かれています。同センターは当サイトが案内する窓口です(広告)
- つまり、前者は相場、後者は下限です。数字が大きく離れて見えるのは、数字の意味が違うためです。比べる時は、同じ前提で出した見積書を並べてください
見積もりと請求額が違った相談事例
国民生活センターが2025年10月30日に発表した事例では、亡くなった父の遺品整理を電話で頼み、当初は約20万円と聞いていたのに、作業後に30万円を請求されました。
見積書は受け取っていなかったとのことです。
2018年7月19日の発表にも、作業の時に予定外の料金を求められ、最終的に見積もりの2倍を請求された事例があります。
この2つが示すのは、買取で下がる額より、見積書がないことで膨らむ額のほうが大きくなり得る、ということです。
先に書面で金額を決めることが、いちばんの節約になります。
買取も片づけもまとめて相談したい方へ
遺品整理相談センター
- 相談は無料
- 業者はセンターが選ぶ
- 見積もりを見てから断れる
対象は大阪・兵庫・滋賀です。
値段が付く品は、運営元の買取店が買い取ります。
買取代金はお客様が受け取り、その分を片づけの費用に充てられます。
片づけの作業は提携の業者が行い、作業費は業者へ直接払います。
センターが掲載している事例では、3LDKと倉庫の家で、相談前に30万円だった費用が、差し引きの負担14万円になりました。
内訳は買取9万円・物量の削減4万円・業者の見直し3万円です。
品物や物量によって変わります(同センターのコラムの掲載事例・2026年10月27日確認)。
当サイト運営者が案内する窓口です(広告)
3買取で値段がつく物・つきにくい物
買取の現場で見てきた傾向を、表にまとめます。
実際の値段は、品物の状態と査定する日の相場で決まります。
| 品物 | 傾向 | 残しておく物 |
|---|---|---|
| 貴金属・ブランド品 | 値段がつきやすい。トップブランド(ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)・シャネル(CHANEL)・エルメス(HERMÈS)・バーバリー(BURBERRY))は特につきやすい | 箱・保存袋・保証書 |
| デジタルカメラ | 値段がつきやすい | 本体と付属品、箱 |
| 百貨店・セレクト系の服やバッグ | 買った時は高くても、二次流通では安くなりやすい | タグ・付属品 |
| 毛皮 | 昔は100万円・200万円した物でも、今は数千円から、良くても数万円になることが多い。年々下がっている | ブランドのタグ |
| 骨董・掛け軸・茶器 | 有名作家の物は値段がつくことがある。木箱入りでも、意外と値段がつかない物が多い | 木箱・箱書き |
| 洋服 | 流行があり、数年で値段が落ちる | ブランドのタグ |
値段がつかない物の中にも、まとめて海外で使われる物があります。
ただし輸送の費用がかかるため、買取はできず、引き取りになることが多い、という実態があります。
お客様には、どの物が売れてどの物が処分になるか、見分けるのが難しいのが普通です。
全部に値段がつくわけではありませんが、リユースできる物は思ったより多くあります。
捨てる前に、一度まとめて見てもらってください。
4見積書で確かめる6つの点
一緒に頼む時は、見積書に次の点が書かれているかを確かめます。
国民生活センターが案内している確認点も含めています。
- 買取額が別の行になっているか作業費と買取額が、それぞれ金額で書かれているか。「買取分を値引き」とだけ書かれていないかを見ます。
- 買い取る人の古物商の許可古物商許可証や行商従業者証を見せてもらいます。
- お金の支払い先作業費を払う先と、買取代金を受け取る先が同じか、別かを聞きます。
- 追加料金が出る条件見積もりに無い物が出た時・作業が延びた時などの扱いを、書面にしてもらいます。
- 残す物の約束残す物と処分する物を分けて伝え、書面か写真に残します。アルバムなどが処分されたという相談が実際にあります。
- 解約・キャンセルの費用契約前に、日程を変えた時の費用を聞きます。
5売る前に知っておくこと
相続放棄を考えているなら、売るのは待つ
民法第921条は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなす、と定めています。
売ることも処分に当たるおそれがあるため、相続放棄を考えている間は、売らずに専門家へ先に相談してください。
放棄や限定承認ができる期間は、相続の開始を知った時から3か月以内です(第915条)。
売ったお金に税金はかかるか
国税庁は、家具・じゅう器・衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡による所得は、課税されないとしています。
ただし、貴金属・宝石・書画・骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超える物の譲渡による所得は、この扱いから除かれます。
高額な品が出てきた時は、税務署か税理士に確かめてください。
6よくある質問
買取額は、必ず作業費から引いてもらえますか?
必ずではありません。
差し引くか、別々に受け取るかは、業者や窓口の決め方しだいです。
見積書に、作業費と買取額が別の行で書かれているかを確かめてください。
遺品整理と買取は、別々に頼んだほうがいいですか?
どちらが得かは、品物と相場しだいで、一概には言えません。
値段がつく品が多いなら、買取先を自分で選べる別々の形が合います。
品物が多くなく窓口を1つにしたいなら、一緒に頼む形が楽です。
値段がつくかどうか分からない物は、どうすればいいですか?
捨てずに残して、見積もりの時や査定の時に見せてください。
壊れた貴金属や動かない時計でも、値段がつくことがあります。
自分で磨いたり、直したりはしないでください。
買取の代金に、税金はかかりますか?
国税庁は、生活に通常必要な動産の譲渡による所得は課税されないとしています。
ただし、貴金属や書画・骨とうで、1個または1組が30万円を超える物は除かれます。
高額な品は、税務署か税理士に確かめてください。
相続放棄を考えていますが、売ってもいいですか?
処分したとみなされ、相続を認めたことになるおそれがあります(民法第921条)。
放棄を決める前は売らずに、弁護士や司法書士に先に相談してください。
出どころ:国民生活センター「見守り新鮮情報 第525号」(2025年10月30日発表)、同「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日発表)/日本郵便「相続のこと」コラム/遺品整理相談センター公式サイトとコラム/国税庁タックスアンサー No.3105/e-Gov法令検索「民法」第915条・第921条(いずれも2026年10月27日に確認)。値段がつく物とつきにくい物は、買取店の現場で見てきた傾向です。






