専門業者の仕入れ先は、業者オークション、古物市場、買取店からの直接の仕入れ、自社での買取の4つで、どこが強いかは商材で変わります。
この記事は、その4つを1枚の地図にしたものです。

ここで言う専門業者は、会社の年商や規模で決まる相手ではありません。
中古カメラだけ、中古パソコンだけ、スマホだけ、のように、1つの商材に特化して仕入れと販売をしている会社です。

私は買取店の側で、買い取った品を、業者オークション、古物市場、専門業者へ出してきました。
売る側の店から見えたことを元に、仕入れる側の入口を並べます。

1中古の品は、どこを通って専門業者に届くか

中古の品は、お客様の手を離れてから、次の流れで専門業者に届きます。

  1. お客様が売る店頭、出張、宅配で、買取店に売ります。片づけや遺品整理の業者が、お客様に混じって店へ持ち込むこともあります。
  2. 買取店が売り先を選ぶ業者オークション、古物市場、専門業者、自社のネット販売のどれかに出します。
  3. 専門業者が仕入れるオークションや市場で競り落とすか、買取店から直接買うか、自社で一般のお客様から買い取ります。
  4. 専門業者が売る自社の店、ネット、取引先へ売ります。販売先が強いほど、仕入れで出せる値段も上がります。

買取店の側から見ると、買う仕事と売る仕事は、全く別の事業です。
買取の集客と、販売の集客は、やり方が違います。
1人で何でもやる時期は、買う仕事に力を絞り、売り先は業者オークションや古物市場にする方がよい、と私は経験から考えています。
この「売り先を絞る店」の受け皿になるのが、専門業者です。

売る側から見る買取店の売り先の比較|業者オークション・古物市場・専門業者・ネット販売の違い

2仕入れ先4つの比較

比べる点業者オークション(ネット)古物市場(会場の競り・入札)買取店から直接自社での買取
相手全国の古物商会場に来る古物商買取店一般のお客様
入る条件古物商の許可証と、会員登録の審査古物商の許可証と、主催者の承認。紹介が要る所もある仕組みや取引先ごとに違う古物商の許可。相手の確認と帳簿
品の見方写真と商品の情報。現物の下見ができる所もある現物を見る。下見してから入札する大会もあるまず写真で値段を出し、届いた現物を検品する現物を見る
費用の形入会金、会費、落札手数料、参加費(市場ごと)入会金、年会費、参加費、下見費、歩銭(市場ごと)仕組みごと広告、店、人
弱い所競りで値段が決まるので、読みが外れることがある品が早く流れる。会場へ行く時間が要る写真で値段を出す目が要る。減額でもめると次がない集客が最初の関門。来る商材を選べない

出どころ:リユース経済新聞「古物市場とは?初心者向けに参加方法を解説(2025年版)」(recycle-tsushin.com・2026年10月31日に確認)と、目利き一郎の整理。費用は市場と時期で変わります。

業者オークションと古物市場は、呼び方が違うだけで、重なる所もあります。
どちらも、商材ごとに強い会場と弱い会場があります。
一概に、どこがよいとは言えません。
名前と条件を公式で確かめた市場の一覧は、次の記事にまとめました。

一覧と違い業者オークションと古物市場の違い|古物市場の一覧と入会の条件

3仕入れが厳しくなった理由

私は、業者オークションが増え、古物の仕事に入ってくる人が増えたことが、仕入れが厳しくなった大きな理由だと見ています。
買う人が増えれば、同じ品を取り合うことになります。
古物商の許可の数も、年ごとに増えています。

年末古物商の許可古物市場主の許可
令和2年(2020年)395,526件852件
令和3年(2021年)440,874件871件
令和4年(2022年)483,276件902件
令和5年(2023年)529,024件967件
令和6年(2024年)571,946件1,078件
令和7年(2025年)614,118件1,076件

出どころ:警察庁「令和7年中における古物営業・質屋営業の概況」表1(npa.go.jp・2026年10月31日に確認)。令和2年4月の法改正で、許可の数え方が変わりました(営業所のある都道府県ごとの許可から、主な営業所のある都道府県の許可へ)。そのため、令和元年までの数字とは比べられません。

古物商の許可は、毎年4万件以上ずつ増えています。
古物市場を開く許可(古物市場主)も、令和2年末から令和6年末までは増え、令和7年末はほぼ横ばい(2件減)でした。

ここで言えること、言えないこと

言えるのは、許可を持つ人と、市場を開く許可が増えた、ということまでです。
市場全体で出品が減ったか、落札の値段が上がったかを示す公的な数字は、私が調べた範囲では見つかりませんでした。
許可の数は年末の時点の件数で、その年に新しく取った人の数ではありません。

4買取店から直接仕入れる形

専門業者にとって、買取店から直接仕入れる形は、一言で言えば新しい仕入れルートです。
オークションや市場に出る前の品に、写真の段階で値段をつけられます。

買取店の側にも、事情の変化があります。
私がいた店では、専門外の品が来ると、断ることが多くありました。
高額品なら預かりましたが、預かっても収益に合わなければ断っていました。
今は買取店どうしの競争が激しく、断るだけでは機会の損になります。
専門外の品を、その商材に強い専門業者に聞いてから買う店が出てくれば、専門業者には新しい入口ができます。

写真で値段をつけ、成約した品が届く流れ

この形の仕組みの1つに、査定お任せくん(当サイトの運営者に関わりのあるサービス)があります。
公開ページに書かれている流れを、専門業者の側から並べると、次のとおりです。

  1. 写真が届く買取店が、商材を選んで、案内の順に撮った写真を送ります。1つの商材に、専門業者は何社でも登録できます。専門業者は運営からの招待で参加し、扱う商材は招待の時に決まります。
  2. 見立てと値段を返す商材によって、専門業者の査定基準で、基準内か基準外かの見立てと、その根拠を返します。値段も同じ画面で返します。
  3. 買取店が1社を選ぶ見積もりは、先着5社か、最初の見積もりから30分で締め切られます。買取店が売ると決めた時だけ、成約になります。
  4. 品が届き、検品する成約までは、買取店の名前は見えません。検品で値段を下げる時は、理由と写真をつけて連絡し、買取店が承諾か返送を選びます。
  5. 代金を払う検品のあとに支払います。運営がまとめて受け取り、買取店へ送ります。

公開ページには、専門業者の営業時間内なら、受けるまで15分、値段まで15分が目安と書かれています。

出どころ:査定お任せくん(satei-omakase.com)の公開ページ(2026年10月31日に確認した表示)。査定を頼めるのは、古物商の許可を持つ事業者です。写真からの見立てで、真贋を保証するものではありません(運営も保証しません)。

買取店から写真で受ける形は、ほかにもある

比べる点取引先とのLINEなどの個別のやり取り写真で見立てて卸す仕組み(例:上の流れ)
相手の買取店すでに付き合いのある店仕組みに登録した店
値段の比べ合い店が別々に聞いて比べる同じ画面に何社かの値段が並ぶ
記録どの店から何が届いたかは、それぞれで残す取引ごとに画面に残る
費用取引先との約束しだい仕組みの規約しだい

出どころ:目利き一郎の整理と、査定お任せくんの公開ページ(2026年10月31日に確認)。どちらが合うかは、付き合いのある店の数と、商材で変わります。

買取店の側の動き買取店の真贋と売り先の地図

5買取店に選ばれる専門業者の条件

私が買取店の側で見てきて、選ばれる専門業者には2つの共通点があります。
査定が速いことと、何でも扱うのではなく、1つの商材に特化していることです。

条件買取店から見た理由
査定が速いお客様を待たせている間に値段が返ると、その場で買取の値段を出せる
1つの商材に特化しているその商材の販売先が強いので、値段の根拠がはっきりしている
出した値段を守るこの値段で買うと言ってから減額が多いと、店は次から出しにくい
減額の理由を見せる大きな傷みで下がるのは分かる。だから店の側も、悪い所を隠さずに出す

出どころ:目利き一郎の経験をもとにした整理です。

特化すると、販売先が強くなります。
販売先が強くなると、仕入れもそれに合わせて特化します。
私は、これが専門性ということだと考えています。

減額については、買取店の側にも守ることがあります。
専門業者に出して助かったのは、査定の速さと、出した値段で買ってもらえることでした。
ただし、大きな傷みがあれば値段は下がります。
だから店の側も、悪い所を隠さずに写真と一緒に出します。
隠して出すと減額になり、お互いに遅くなります。

6古物商どうしの取引で守る決まり

古物商どうしの取引でも、古物営業法の決まりは変わりません。
仕入れ先ごとに、関わる条文を並べます。

場面決まり
古物市場で売り買いする古物市場では、古物商どうしでなければ売り買いできない(第14条第3項)。古物市場主は、許可証などで古物商かどうかを確かめる(施行規則第15条第4項)
市場へ買いに行く古物商は、行商や競り売りをする時、許可証を持っていなければならない(第11条第1項)
相手から買い受ける相手の住所、氏名、職業、年齢を、法律が決めた方法のどれかで確かめる(第15条第1項)。会わずに写真で値段をつけて送ってもらう取引では、施行規則第15条第3項の方法で確かめる。対価の総額が1万円未満なら確かめなくてよいが、ゲームソフトや書籍などは1万円未満でも確かめる(第15条第2項・施行規則第16条)
品を受け取る・引き渡すその都度、取引の年月日、品目と数量、特徴などを帳簿等に記録する(第16条)。1万円未満の取引などは記録しなくてよい例外がある(第16条ただし書)。帳簿等は3年間保存する(第18条)
疑いのある品に出会う不正品の疑いがある時は、直ちに警察官に申告する(第15条第3項)

出どころ:古物営業法 第11条・第14条・第15条・第16条・第18条、古物営業法施行規則 第15条・第16条・第18条(e-Gov法令検索・2026年10月31日に確認)。引き渡しの記録が要らない品目もあります(施行規則第18条)。迷う時は、営業所の管轄の警察署に確かめてください。

買取店から直接仕入れる時は、減額と返送の扱いも、取引の前に書面で決めておくと、もめずに済みます。

7よくある質問

古物市場や業者オークションは、誰でも参加できますか?

古物市場は、古物営業法で古物商どうしでなければ売り買いできないと決まっています(第14条第3項)。
業者オークションも、主催者の規約で古物商の許可を求める所がほとんどです。
許可のほかに審査があり、法人だけの市場や、紹介が要る市場もあります。

仕入れが厳しくなったのは、なぜですか?

古物の仕事に入る人が増えたことが大きい、と私は見ています。
古物商の許可の数は、令和2年末の39万5,526件から、令和7年末の61万4,118件へ増えました(警察庁)。
令和2年に数え方が変わったので、それより前とは比べられません。

買取店から直接仕入れる時も、帳簿は要りますか?

原則、要ります。
古物を受け取った時は、その都度、取引の年月日、品目と数量、特徴などを帳簿等に記録します(古物営業法第16条)。
対価の総額が1万円未満の取引は記録しなくてよい例外があります(ゲームソフトや書籍などは除く)。
帳簿等は3年間保存します(第18条)。

専門業者は、真贋を保証できますか?

写真で出すのは見立てで、真贋を保証するものではありません。
保証をつけるかどうかは、取引ごとの条件で決まります。
ブランドの公式の鑑定とは別のものです。