ロレックス・オメガなどの高級時計ステンレスと安価なステンレスとでは何が違うのか?

ロレックスのステンレス素材について

かつてロレックスオメガ、パネライ、ブライトリングなどなど世界を代表する機械式時計を作るメーカーの多くはラグジュアリーなモデルとしては金無垢で外装を作るのがスタンダードでしたが、1970年代にはステンレスを外装としたラグジュアリーモデルが次々に登場しました。今やそのブランドのフラグシップとなるモデルの外装がステンレスであることも珍しくなくなりました。

 

「それにしてもこんなステンレスの時計がどうして数十万円もするのだろう・・・」

 

そのデザイン性や機能性などに魅了され時計にはまる人が後を立ちませんが、それほど強い憧れがない方はそんな疑問が頭を掠めることは度々あるのではないでしょうか。そんな方にちょっとだけ時計への憧れを持っていただくために、ステンレスのお話を一つ。

 

【ステンレスとは】

ステンレスが発明されたのは20世紀の初頭といわれておりますのでその歴史はまだ100年ほどです。短い歴史ではありますが、今やステンレスは私たちの生活にはなくてはならないものとなり現在細かく分けておよそ1000種類とも言われるほどに種類があります。大半のものは化学プラントや実験での利用ですのでステンレスの専門的な説明は他のサイトや書物に任せるとしまして、日常的に私たちが使うステンレスをおおまかに種類わけしますと台所のシンクなどに使うような安価なステンレス、海水に強いステンレス、熱に強いステンレス、磨耗に強いステンレス、ニッケルなどのアレルギーを起こす金属を排除したステンレス、そうした機能を併せ持ったステンレスなどといったところになるでしょうか。

 

そんなステンレスの中で主に時計に使われているステンレスで有名なものを列挙しますと

SUS304 耐熱鋼として最も広く普及している。耐食性、溶接性、機械的性質が良好。
SUS316 海水や各種媒質への耐食性を向上させたステンレス鋼材。
SUS316L SUS316の耐粒界腐食性をさらに強化したもの。高い耐食性を持つ。
SUS904 オーステナイト系ステンレスのイギリス規格と思われる。時計バンドなどに使用されている。
SUS904L SUS904をさらに強化したもの。

といった具合になります。ちなみにSUSはSpecial Use Stainlessの略称で読み方は「サス」です。その後に続く数字はどういった金属をどういう割合で混ぜて作ったかというのを示しております。「SUS304」であれば「サスさんまるよん」と読みます。

 

数千円で買えるステンレスの時計にはSUS304という最も安価に作れるステンレスがよく用いられます。耐食性や耐熱性などほどほどに優れたステンレスです。ほどほどといっても日常的に使用する分にはなんの問題もなく、食器や家庭のありとあらゆるものに利用されていますので私たちの生活にもっとも身近なステンレスといえるでしょう。

 

【ブランドごとに違うステンレスの種類】

ステンレスを用いたラグジュアリーモデルを作るブランドにブライトリングやパネライなどがあります。これらでよく使われるステンレスはSUS316Lです。ブライトリングもパネライも軍用時計としても使われることもありますのでその堅牢さは折り紙つきですがSUS316Lによってそれが一部担保されているといってもいいでしょう。

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そしてロレックスはその上をいくSUS904Lというステンレスを主に使っています。これはSUS316Lをさらに鉄の含有率を上げることによって強度を増したステンレスで、海水はもちろん硫酸、塩酸にも強いステンレスとして化学プラントなどでも使われるものです。

 

このように素材としては唯一SUS904Lを採用しているロレックスが頭一つ抜けていますが、SUS316Lを使っているブライトリングはそのステンレスを150トンもの高圧力で叩き、1回ごとに熱処理を施して鍛えられ、冷やされ、また叩く、この工程が何度も繰り返されて、不純物を限りなく排除しているため非常に耐久性の高いパーツに仕上げられています。また そのステンレスを鋼のまま数ヶ月野ざらしにして、錆が無い鋼だけをパーツとして作り上げていますので、本当に選び抜かれたステンレススだけが時計の素材となっています。こうした作業工程で考えるとブライトリングの素材へのこだわりはロレックス以上のものを感じます。

 

見た目には違いがはっきりとわかりませんのでその違いはわかりにくいところですし、ケースの材質や工程が一概に時計の価格を決めるものではありませんが、それぞれのブランドのこだわりが隠れていることに思いをはせるとまた見え方も変わってくるのではないでしょうか。

この記事の著者

玉城 貴也

玉城 貴也Chief Manager

私が記事の著者と出ているが、実はゴーストライターがいる。

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